HPSS 6.2とHPSS 7.3の変更点
作成日2010年05月7日 最終更新日 2010年8月25日
目次
1. HPSS 6.2とHPSS 7.3の変更点 - アクセス環境...
2. 機構内ネットワーク接続のLinuxホストからのHPSSアクセス
HPSS6.2からHPSS 7.3へHPSSサーバがupgradeした後に、HPSS7.3でのアクセス環境の条件は以下のとおりです。
◎ そのまま使える
○ HPSS73を導入すれば使える(導入しないと使えない) *1
□ 引数を変えれば使える *2
△ リコンパイルすれば使える *3
× 利用できない。
HPSS 73 access
|
RHEL4 |
RHEL5.4 |
VFS |
× |
○*1 |
scp |
◎ |
◎ |
kftp |
□ *2 |
□ *2 |
pftp |
○ |
○ |
hpssput, hpsscat |
○ |
○ |
API application |
△ *3 |
△ *3 |
*1
Note: cw103,cw104,hcfs1,hcfs2などのセンター管理のVFSホストについてはHPSS 7.3 サーバupgradeと同時にVFSもHPSS 6.2からHPSS 7.3へ、RHELも5.2から5.4へupgradeします。(注:VFSはRHEL5.4のみサポートです。RHEL4の場合にはVFSをuninstallします。)
*2
HPSS 6.2まではkftpへ与える第二引数が4020でしたが、HPSS 7.3から6021へ変更になりました。
変更前 /usr/kerberos/bin/ftp
hco01.cc.kek.jp 4020
変更後 /usr/kerberos/bin/ftp hco01.cc.kek.jp 6021
*3
HPSS 6.2とHPSS 7.3のAPI仕様には一部変更がありますが、大きな変更では無く、ソースの書き換えが必要なケースは稀です。ただし、バイナリ互換は無いので、APIアプリケーションについては、リコンパイルが必須です。ソースの書き換えが必要かどうかの判断については、後述の『3.HPSS プログラミングの変更点』を参照ください。
機構内ネットワーク接続のLinuxホストにHPSS 6.2のクライアントモジュールを導入し、かつ、 pftp, hpssput, hpsscat, 自作HPSS API applicationご利用の方は、HPSS 7.3用のクライアントモジュールを導入する必要があります。下記のURLからdownloadして導入ください。なお、HPSS 7.3 クライアントモジュールの前提として、RHEL 5.4ベースにOSを変更する必要があります。
http://kekcc.kek.jp/service/hpss/uguide/hpss/hpss73_reg_test_p.html
機構内ネットワーク接続のLinuxホストにて、scp, Kerberos-ftpによりHPSSご利用の場合には、引き続き、OS付属のscp, Kerberos-ftpを利用下さい。HPSS7.3を導入する必要はありません。
ただし、HPSS 6.2まではkftpへ与える第二引数が4020でしたが、HPSS 7.3から6021へ変更になりました。詳しくは前節および下記URLを参照ください。
http://kekcc.kek.jp/service/hpss/uguide/hpssuserman73j.html#use_ftp
プログラミングのためのHPSS client APIについては、下記を参照ください。
http://kekcc.kek.jp/service/hpss/uguide/hpssuserman73j.html#use_api
HPSS 6.2に比べてHPSS 7.3は、data structureに変更があります。下記のdata structureの下記のメンバーを利用している場合には、必要に応じてソースプログラムを修正ください。
|
Data Structure |
変更箇所 |
備考 |
1 |
api_dist_file_info_t |
メンバー削除あり |
|
2 |
bf_attrib_t |
メンバー追加 |
|
3 |
bf_xattrib_t |
メンバー追加 |
|
4 |
bfs_callback_addr_t |
メンバー削除も追加もあり |
|
5 |
hpss_Attrs_t |
メンバー削除も追加もあり |
hpssls, hpsscpで利用 |
6 |
hpss_cos_hints_t |
メンバー追加 |
hpssput, hpsscpで利用 |
7 |
hpss_cos_md_t |
メンバー追加 |
|
8 |
hpss_saddr_t |
新しい型(hpss 6222pには無い) |
|
9 |
hpss_sockaddress_t |
新しい型(hpss 6222pには無い) |
|
10 |
ns_ACLConfArray_t |
使われ方が変わった |
hpss_GetACL()とhpss_GetACLHandle()の中の型が*から**へ変わった。 |
HPSS 6.2に比べてHPSS 7.3は、APIに変更があります。下記のAPIを利用している場合には、必要に応じてソースプログラムを修正くださ
|
API |
変更箇所 |
備考 |
1 |
hpss_AccessHandle |
引数の削除 |
ファイルのアクセス可・不可をチェックする。 |
2 |
hpss_ClientAPIInit |
引数の削除 |
スレッド状況をHPSS APIのために初期化する。通常のHPSS APIコールにより自動的に達成されるため、エンドユーザが呼ぶことは稀と考えられる。 |
3 |
hpss_CreateHandle |
引数の削除 |
HPSSファイルを新規オープンし、hpss_vattr_t *AttrsOutに結果を返す。 |
4 |
hpss_FileGetAttributesHandle |
引数の削除 |
ファイル属性を調査し、hpss_fileattr_t *AttrOutに結果を返す。 |
5 |
hpss_FilesetCreate |
引数の削除 |
新規ファイルセットを作成する。 |
6 |
hpss_GetACL |
引数の型が*から**へ変わっている |
ACL情報を入手する。 |
7 |
hpss_GetACLHandle |
引数の型が*から**へ変わっている |
ObjHandleにより特定されるファイルのACLを返す。 |
8 |
hpss_GetAttrHandle |
引数の削除 |
ObjHandleにより特定されるファイルの属性を返す。 |
9 |
hpss_GetRawAttrHandle |
引数の削除 |
ObjHandleにより特定されるシンボリックリンクまたはジャンクションポイントの属性を返す。 |
10 |
hpss_OpenBitfile |
引数の削除 |
BitFileIDにより特定されるファイルをオープンする。 |
11 |
hpss_OpenBitfileVAttrs |
増えている引数、減っている引数がある。 |
既にオープン済みのファイルの属性を調査する。 |
12 |
hpss_OpenHandle |
引数の削除 |
ObjHandleにより特定されるファイルへの接続を確立する。 |
13 |
hpss_ReopenBitfile |
引数の削除 |
BitFileIDにより特定されるファイルへの接続を確立する。 |
14 |
hpss_ThreadCleanup |
引数の削除 |
HPSS APIに消費されていたリソースを開放する。 |
15 |
hpss_CreateDMHandle |
HPSS 7.3で無くなった。 |
HPSS7.3で提供終了。 |
16 |
hpss_CreateWithHints |
HPSS 7.3で無くなった。 |
HPSS7.3マニュアルに記載なし、HPSS7.3で提供終了。理由:既存のhpss_Createと同一なので、存在理由が無いから。 |
17 |
hpss_OpenWithHints |
HPSS 7.3で無くなった。 |
HPSS7.3マニュアルに記載なし、HPSS7.3で提供終了。理由:既存のhpss_Openと同一なので、存在理由が無いから。 |
|
API |
HPSS7.3 |
HPSS62 |
1 |
hpss_AccessHandle |
int |
int |
2 |
hpss_ClientAPIInit |
int |
int |
3 |
hpss_CreateHandle |
int |
int |
4 |
hpss_FileGetAttributesHandle |
hpss_FileGetAttributesHandle( |
int |
5 |
hpss_FilesetCreate |
int |
int |
6 |
hpss_GetACL |
int |
int |
7 |
hpss_GetACLHandle |
int |
int |
8 |
hpss_GetAttrHandle |
int |
int |
9 |
hpss_GetRawAttrHandle |
int |
int |
10 |
hpss_OpenBitfile |
int |
int |
11 |
hpss_OpenBitfileVAttrs |
int |
int |
12 |
hpss_OpenHandle |
int |
int |
13 |
hpss_ReopenBitfile |
int |
int |
14 |
hpss_ThreadCleanup |
int |
int |
15 |
hpss_CreateDMHandle |
HPSS7.3で提供終了。 |
int |
16 |
hpss_CreateWithHints |
HPSS7.3で提供終了。 今後は、hpss_Createを利用ください。 |
int |
17 |
hpss_OpenWithHints |
HPSS7.3で提供終了。 今後は、hpss_Openを利用ください。 |
int |
以上
2010/05/07作成
2010/07/21 題字の変更
2010/08/11 目次の追加。「引退」を「提供終了」へ変更。
2010/08/20 「アプリケーションのソースの書き換えが必要かどうかの判断」を追加
2010//08/25 kftpの第二引数の変更
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