HPSS FAQ

最終更新 2010/09/02 16:00

 

1. ftp経由で128MB以上のファイルをHPSSへ書き込む場合、明示的にCOS=30指定が必要  

2.ダイナミックリンクライブラリからHPSS API 関数をコールすると“Operation not permitted“となる  

3. hpssls [マウントポイント] ではディレクトリ名しか表示されない。hpssls [マウントポイント]/.とする事で [マウントポイント] 直下のファイルリストを取得可能..

4.旧HPSS領域ファイルhpsspurge不可..

5.HPSSの同時多数アクセス、同時利用可能テープ装置について..

6.HPSSの Migration/Purge/Stagingについて..

 

 

1. ftp経由で128MB以上のファイルをHPSSへ書き込む場合、明示的にCOS=30指定が必要

【日付】2010/09/02

 

【現象】ftp経由でHPSS領域へ書き込む場合、デフォルトCOSであるCOS=20が使用される。

COS=20はファイルサイズの上限が128MBであり、それ以上のサイズのファイルを書き込む場合、明示的にCOS=30 (上限32GB)を指定する必要がある。

 

【方法】ftpのサブコマンド“quote site setcos 30”でCOS=30を指定してください。

 

[コマンド実行例]

ftp> quote site setcos 30
200 COS set to 30.
ftp> put 1024MB
local: 1024MB remote: 1024MB
227 Entering Passive Mode (10,33,0,108,141,154)
150 Opening BINARY mode data connection for 1024MB.
226 Transfer complete.
1073741824 bytes sent in 20 seconds (5.1e+04 Kbytes/s)
ftp>

 

 

 

2.ダイナミックリンクライブラリからHPSS API 関数をコールすると“Operation not permitted“となる

【日付】2010/09/02

 

【現象】HPSS認証APIライブラリをリンクしておかないと、ダイナミックリンクライブラリからHPSS API関数をコールした場合、 “Operation not permitted”となる。

【回避手段】

ライブラリのビルド時に、以下のHPSS認証APIライブラリをリンクする事でも回避可能です。

     libhpsskrb5auth.so

     libhpssunixauth.so

 リンカオプション例:-L/opt/hpss/lib -lhpss -lhpsskrb5auth -lhpssunixauth

-L/hpss_src/32api/lib -lhpsskrb5auth -lhpssunixauth -lhpss 32ビット版)

 

 

 

3. hpssls [マウントポイント] ではディレクトリ名しか表示されない。hpssls [マウントポイント]/.とする事で [マウントポイント] 直下のファイルリストを取得可能

【日付】2006/07/14

 

【現象】

hpssls [マウントポイント] ではディレクトリ名しか表示されない

(ここで [マウントポイント] とはHPSSFileset/FileFamilyに対応してマウントされているディレクトリを指す)

ibm-yama:/home/ce/ibm-yama$ hpssls /hpss/ce_g
/hpss/ce_g
ibm-yama:/home/ce/ibm-yama$

【回避手段】

hpssls [マウントポイント]/. とする事で [マウントポイント]直下のファイルリストを取得可能

配下にibm, ibm-yamaをもつ /hpss/ce_g に対しての例を以下に記載する

ibm-yama:/home/ce/ibm-yama$ hpssls /hpss/ce_g/.
ibm
ibm-yama
ibm-yama:/home/ce/ibm-yama$

 

 

 

4.HPSS領域ファイルhpsspurge不可

【日付】2007/02/06

 

【現象】

HPSS領域に属したファイルはhpsspurge(データのパージ:ディスク領域からの削除)ができない(仕様)。

(旧HPSS領域ファイル = COSのファイル)

【回避手段 その1

・旧HPSS領域のデータを新HPSS領域へコピーする

→ 新HPSS領域ファイルはhpsspurge可能です。

hpssmvCOSを変更できないので、コピーを実施ください。以下に実行例を記します。

$ hpsscat /hpss/ce/ibm/testfile | hpssput /hpss/ce_g/ibm/testfile

【回避手段 その2

・システムによってPurgeされるのを待つ

 

 

 

5.HPSSの同時多数アクセス、同時利用可能テープ装置について

【日付】2007/08/22【更新日時】2010/09/02

 

【現象】

HPSSにはアクセス数による接続制限が存在します。

この制限値を超過した場合、HPSSアクセスは “Input/output error, Resource or device is busy, Connection refused”等のエラーメッセージで終了します。

【回避手段】

KEKCCワークサーバにおいて、hpssaccnumコマンドを実行する事でHPSSアクセス数が確認可能です。

当コマンドで得られる値を目安として、HPSSファイルオープン数やジョブ実行可能数をご検討いただければ幸いです。

 

【現象】

HPSSには同時利用可能なテープ装置に個数制限が存在します。

この制限値を超過した場合、HPSSアクセスは stageを待つため、テープ装置が空くまで待ちますので、応答が非常に遅くなります。エラーメッセージが出ることもプロンプトが表示されることもありません。

【回避手段】

KEKCCワークサーバにおいて、hpssaccnumコマンドを実行する事で空きテープ装置の個数を確認可能です。

また、hpsslevel ファイル名 コマンドを実行することで、ファイルがテープにあるかディスクにあるか確認できます。

さらに、hpssstage ファイル名 コマンドを実行することでファイルをstage(テープからディスクへコピー)することができます。Stageされたファイルはディスクに存在するため、テープ装置の空きがなくともアクセス可能です。

当コマンドで得られる値を目安として、利用したいファイルをあらかじめstageしておくなどの操作をご検討いただければ幸いです。

 

[コマンド実行例]


cw103 ~ > hpssaccnum

This is HPSS connections:

--------------------------

2010/09/02 09:00:01

--------------------------

Current connections =   25

Max connections     = 1000

--------------------------

 

This is Tape drive usage:

-------------- ---------- ----------

Date.Time      NumTapeDrv NumFreeDrv

-------------- ---------- ----------

2010.0902.0859     10         08

-------------- ---------- ----------

tape01 tape02 tape03 tape04 tape05 tape06 tape07 tape08 tape09 tape10

------ ------ ------ ------ ------ ------ ------ ------ ------ ------

Free__ Free__ Free__ Free__ Free__ B00157 Free__ 000011 Free__ Free__

------ ------ ------ ------ ------ ------ ------ ------ ------ ------

 

     アクセス数の定義

[HPSSアクセス数] = [HPSSセッション数]

HPSSセッションは、通常1ファイルオープンあたり13使用されます

書き込み時など、多いときには瞬間的に10程度使用される事もあります

 

このアクセス数情報は 5分毎に更新されます

2010/09/02 HPSSバージョンアップにて、最大同時アクセス可能数が1000となりました

 

     テープ装置の空き状況の見方

NumTapeDrvは、テープ装置の総数を示します。このサイトでは10台まで利用可能です

NumFreeDrvは、空きテープ台数を示します。上の例では7台空いています

Free__ と表示されているテープ装置は空いているので、即座に利用可能です

その他のテープ装置・たとえば B00157 と表示されているテープ装置(tape06)はテープ媒体 B00157 mount中です。このテープ媒体がunmountされるまでこのテープ装置(tape06)は利用できません

 

 

 

6.HPSS Migration/Purge/Stagingについて

【日付】2008/05/02

 

【現象】

HPSSでは、データはまずキャッシュディスク上に記録されます。

この状態ではデータはキャッシュディスク上にのみ存在しています。

 

データがキャッシュディスクからテープにコピーされる事をMigrationといいます。

Migrationされると、データはキャッシュディスク、テープの両方に存在する事になります。

 

データがキャッシュディスク上から削除される事をPurgeといいます。

Purgeされると、データはテープのみに存在する事になります。

 

データがどのような状態になっているかは、hpsslevelコマンドで確認できます。

(以下の例ではPurgeされている事が確認できます)

 

 [コマンド実行例]

ibm-yama:/home/ce/ibm-yama$ hpsslevel /hpss/test_g/ibm/hosts
/hpss/test_g/ibm/hosts  : Disk_Bytes = 0        Tape_Bytes = 15526      Tape_Name = 00035000    Relative_Position = 1157     This_file_is_on_tape_only.[purged_and_not_staged_yet]
ibm-yama:/home/ce/ibm-yama$

 

Purgeされた状態でデータへのアクセスを行うと、データはテープからキャッシュディスクにコピーされます。

これをStagingといいます。

Stagingはテープのシーク/ロードが発生しますので、キャッシュディスク上に存在するデータへのアクセスに比べると時間がかかります。事前にStagingしておくと、アクセス時間を短縮できます。

 

Staging hpssstageコマンドで実行できます。

 

 [コマンド実行例]

ibm-yama:/home/ce/ibm-yama$ hpssstage /hpss/test_g/ibm/hosts
ibm-yama:/home/ce/ibm-yama$
ibm-yama:/home/ce/ibm-yama$ hpsslevel /hpss/test_g/ibm/hosts(←hpsslevelで状態を確認)
/hpss/test_g/ibm/hosts  : Disk_Bytes = 15526    Tape_Bytes = 15526      Tape_Name = 00035000    Relative_Position = 1157     This_file_is_on_both_disk_and_tape.[migrated]
ibm-yama:/home/ce/ibm-yama$

 

MigrationPurgeは以下のようなポリシーで実行されています。

 

Migrationポリシー 】

COS

チェック間隔

Migrationの条件

書き込みが無かった時間(分)

9

30分間隔

60

10

10分間隔

20

20

10分間隔

20

30

30分間隔

60

80

30分間隔

60

 

2010/9/2 HPSS 7.3バージョンアップによりMigration条件「読み込みが無かった時間」が削除されています

 

Purgeポリシー 】

COS

Purgeを開始する使用率(%

Purgeが終了する使用率(%

Purgeの条件

アクセスが無かった時間(分)※

9

89

70

60

10

89

70

60

20

89

70

60

30

89

70

60

80

89

70

60

 

※「アクセス」=「書き込み or 読み込み」になります

 

 

 

以上